【美容のプロが解説】男性の肌も冬は不調になりがち。“ゆらぎ肌”の原因と対策

「ゆらぎ肌」と言葉を聞いたことがあるだろか? 寒暖差の激しい春や秋、あるいは季節の変わり目に肌のコンディションが普段以上に悪くなる……。そんな肌悩みを抱えていたら、それは肌が「ゆらぎ肌」に陥っているのかもしれない。「ゆらぎ肌」に陥る原因や対策を知り、トラブル知らずの冬肌になろう。

女性にはお馴染みの「ゆらぎ肌」という言葉。男性にはまだまだ馴染みが少ないかもしれない。寒暖差の激しい秋や春、またグッと気温が変化する季節の変わり目などに肌トラブルが増えることだが、最善のケアするためにも具体的な症状は知っておきたい。そこで美容エディターが症状や対処法をお届けしよう。

そもそもゆらぎ肌とは?

“ゆらぎ肌”とは自分のベストな肌状態に比べて違和感を覚える肌状態を指している。女性の間ではすっかりなじみ深い言葉だが、男性はあまり耳にしないかもしれない。急なカサつきやハリのなさなど、一時的に肌が敏感に傾いている状態だ。日々の気温、湿度といった外的環境や、食事や睡眠、ストレスまで、生活の中のあらゆることが肌には影響するのだ。

ゆらぎ肌の具体的な症状

カサつき、ピリつき、ザラザラ、赤み……、“ゆらぎ肌”は人によって症状がさまざまだが、目安として下記の症状が現れたら、“ゆらぎ肌”を疑ってみるといいだろう。

・肌の乾燥がひどく、ちょっとしたことでかゆみ感じたり、肌が引きつったりする

・湿疹やかぶれ、赤みを起こす
・吹き出物やニキビが普段よりできやすい
・タオルや枕などと擦れるだけで肌が荒れる

以上のような症状が肌に出ているときは、肌のバリア機能が低下していることが考えられる。

肌のゆらぎの原因はバリア機能の低下

肌は表皮・真皮・皮下組織の三層構造になっており、表皮の1番外側には、わずか0.02mmほどの角層がある。角層では天然保湿因子(NMF)を含んだ角層細胞と、細胞間脂質がきちんと整列することで水分を保持している。この構造は外的要因から皮膚を守る「バリア機能」の役割も果たしているのだ。

けれども、ストレスや睡眠不足、加齢や気温・湿度の変化などで天然保湿因子(NMF)や細胞間脂質が減少すると、角層から水分が失われて肌が乾燥状態に陥ってしまう。さらに、角層細胞と細胞間脂質に隙間が生じることでも肌はうるおいを失くし、バリア機能が低下してしまう。

うるおいやバリア機能が低下した肌は、普段は気にならない洗顔料や化粧品、紫外線、花粉といった者に対して敏感に反応してしまうため、いつもより肌トラブルを抱えてしまう結果に。また急激に寒くなり、外気が乾燥する冬は、肌の水分が失われ、バリア機能が低くなりがちでもある。

肌が揺らいでいるときの対処法

低下した肌のバリア機能を整えることで、肌荒れなどの症状は改善することができる。例えば毎日のスキンケアでは刺激の強いアイテムを避けるべきだ。低刺激や敏感肌用の基礎化粧品でやさしくうるおいを角層に届けたい。

また、汚れや皮脂なども刺激となるので、丁寧な洗顔を心がけたい。洗顔料をたっぷりと泡立て、摩擦を起こさず泡を転がすよう洗おう。うるおいが減りバリア機能が低下した肌は、紫外線の影響も受けやすいので、冬でも天気のいい日はUV対策も怠らず行うように。

内側からのケアも大切

肌はターンオーバーといわれる代謝を繰り返し、垢や古い角質を押し出し(排出)、新しい細胞と入れ替わる。このターンオーバーを正常に整えるには、内側からのケアも大切だ。肌の調子が悪いときは、より規則正しい生活を心がけ、たっぷりの睡眠と適度な運動を心がけよう。食事面では肌細胞のもととなるタンパク質や、新陳代謝の促進やサポートに使われるビタミン・ミネラルを摂り、約6週間といわれている正常な肌のターンオーバーを目指したいものだ。

取材・文/有住美慧
美容エディター・美容コンテンツプランナー。女性雑誌やwebメディアにて編集及び記事の執筆、動画やIGTVの企画や制作に携わる。

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