薬膳コーディネーターが指南。春の不調にはどう向き合う? 季節の食材や生活習慣に目を向けよう
3月末〜4月にかけては、少しずつ気温も暖かくなり春へと向かう明るい季節だ。だが、日々の寒暖差が激しいため心身のバランスが崩れがち。さらに、4月に入ると就職、異動、新たな人間関係の構築など何かと慌ただしくなる。不調が生じる前に日頃から心身を整えておくとよいだろう。
漢方コーディネーターの岡田誠さんに、春の不調を吹き飛ばすために意識したい食生活や生活習慣について教えてもらった。
春は環境変化のストレスを受けやすい季節
日ごとに暖かくなる春は一見過ごしやすい季節に感じるが、進学や就職、異動など新しい環境が増えるシーズンでもあり、環境変化のストレスを受けることも多い。
こうしたストレスにより体内を流れる「気」は停滞しやすくなり、イライラや気分の落ち込み、胃腸の不調などが起きやすくなるのだ。
イライラや落ち込み、不眠などが生じやすくなる
春は中医学的な内臓分類である『五臓』のひとつ、「肝」に負担がかかりやすい季節と考えられている。
それはなぜか? 春になると「肝」が活性化し、冬の間体内に溜め込んでいた老廃物や脂肪などを解毒しようとして活発に稼働し、疲弊しやすい状況を強いられるからだ。
「肝」が疲れると心身にさまざまな不調があらわれる。例えば「肝」に貯蔵されているはずの「血」が不足してしまい、精神バランスが不安定になり、イライラや落ち込み、不眠などが生じやすくなる。また、巡り滞るため肩こりなどに悩まされることも。
「肝」を労わる春の食材
「肝」の調子を整えていくには、気を巡らせ血を養うほうれん草や大豆、キャベツなどを積極的に食べよう。また、肝の熱を冷ますと言われている牛乳やトマト、豆腐や豚肉も意識したい。
生活習慣で気をつけたいこと
食事以外にも気をつけたいことがある。まず、日々規則正しく生活することだ。リモート学習やリモートワークなどで通学や出勤の必要がなくなったこともあり、起床時間が遅くなった人もいるだろう。そのぶん、夜更かししていないだろうか? できるだけ毎日同じ時間帯に寝起きし、心身を整えよう。
また、しっかり深い睡眠を取るためにも適度な運動が重要。コロナ禍でジム通いを辞めてしまった人もいそうだが、ストレッチやヨガなど手軽にできる運動を取り入れよう。
春に生じる体の不調やイライラ、不眠などは体からのサインだ。養生という意味でも、今の自分の心身にベストな食材を食べ、生活習慣に気をつけることで春を快適に過ごしたいものだ。
岡田 誠さん/薬膳コーディネーター。カメラマンとして活動しながら、薬膳にも興味を持ち、薬膳コーディネーターの資格を取得。
構成・文/MEN’S WELLNESS編集部